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福山ばら祭(ふくやまばらまつり)

 毎年5月中旬、”ばらの街”福山は甘い香りに包まれ、メイン会場である福山ばら公園(同市花園町)・緑町公園(同市緑町)を中心に繰り広げられる市最大のイベントである。市民の花づくりの腕を競う、春のばらコンテストやばらのステージ、ローズパレードなどが行われ、祭期間中の2日間、会場周辺は大勢の人で賑わう。
ばら公園は、昭和30年、戦災復興事業で造られた市民公園の1つ。20年8月の大空襲で市内中心部の大半が焦土化し、「荒廃した市民の心を和らげるため、花を植えよう」と、昭和31年に公園近くの住民がばらの苗千本を持ち寄って植えたことをきっかけに、ピンク、赤、黄など気品と香りあふれるばら公園が誕生した。現在では西ドイツ、カナダなど欧米各国から寄贈されたばらを含め、ばら公園は280種・5500本と、公営のばら園としては、全国屈指の内容を誇り、ばらの見頃である5月と10月を中心に市民の憩いの場として親しまれている。2006年(平成18年)には、世界バラ会議大阪大会で国内2番目となる優秀ローズガーデン賞を受賞した。小・中学校、町内会、企業へも花の輪は広がっており、市内全域で百万本のばらのまちを目指している。近年のばら祭では、小学4年生を対象に10年後成人となる自分へのメッセージを託す11/2成人式やボランティアの分別案内による、「笑(エ)コプロジェクト」が企画され、ゴミ「ゼロ」を目指して取り組んでいる。2006年(平成18年)、太鼓や神楽などの文化の創造と伝承をテーマとした市民ステージや「青いバラ」特設展示、ばら祭テーマソングの公募などが市制施行90周年を記念して実施された。また、2007年(平成19年)、第40回を迎える福山ばら祭では、テーマソング普及事業を展開する。市民ボランティアによる行事の企画運営は、福山市が目指す「市民と行政の協働のまちづくり」へと繋がっている。
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