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柞磨の継獅子舞(たるまのつぎじしまい)

 大獅子あるいは百足獅子といわれる系統の獅子舞で、福山地方には芦田町柞磨地区と府中市栗柄町のみに伝承され、秋祭りに奉納される行事である。
起源については定かでないが、伝えによると正保元年(1644)柞磨八幡神社を町内の神田から現在の江原山に遷宮した時、氏子がこの舞を奉納したのが始まりとされ、現在「正保8年(1837)酉之七月改・惣若連中」銘の獅子頭が3代目として伝えられている。
この継獅子舞は、胴布とよばれる獅子幕の内側に数十人の氏子が入り、外側にも胴布の裾を持ち、氏子は獅子の動作に合わせ胴布を上下にあおる。
獅子は2度目に本殿に向う時(上り獅子という)、猿田彦が獅子に刀をくわえさせ、胴布内の頭持ちが人垣の上に乗って高い櫓を組み、継獅子を舞い、神主に刀を渡す。獅子の両側に花笠をつけた稚児が太鼓と掛声に合わせて、チャンギリ(銅拍子)をならす。一般に獅子は、歯打ちをさせるが、この継獅子は歯打ちをしない、大陸系の獅子舞の特色を意識的に除いており、かえってこれが特色となっている。勇壮な獅子舞で、多数の氏子が悪魔払いのお蔭を受けようとする行事である。
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