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本郷神楽(ほんごうかぐら)

 菅茶山の『御問状答書』によると、備南地方では江戸時代中期において各地で純然たるアマチュアによる里神楽が上演されていたことが記され、本郷神楽もこうした里神楽に類する。
本郷神楽は同町の横町荒神社(現本郷八幡神社に遷座)の祭礼に市・原地域の氏子によって式年の丑歳と未歳に奉納される荒神神楽で、演目は15種類ある。このうち「場払い」「神迎え」「神降し」「剣舞」及び譚(かたり)(問答形式)を主とする「四本舞」「王子舞」は『御問状答書』に記載されている演目と付合し、また同保存会所有の面に弘化4年(1847)嘉永6年(1853)などの銘の入ったもの、「弘化四未新調」の銘入りの太鼓も保存されており、江戸時代から盛んに踊られ今日まで継承されていることが明らかである。
荒神神楽は、備後一円で行なわれているが、本郷神楽の場合、かつての神楽の面影を随所に残し、さらに神楽に関わる習俗もよく残している。
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