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二上りおどり(にあがりおどり)

 この踊りは、盆踊りの一種と考えられ、江戸時代には旧盆の8月14日から3日間、三味線の「二上り」を基調に胡弓を配した地方(じかた)に合わせ頭に折笠・頬かむりをし、手に団扇を持ち、町家・武家の人々が共に思い思いの踊りで三々五々組を作って練り踊ったもので、唄がないのが特徴である。この踊りは、本来見せる踊りでなく、自ら踊って楽しむものであったため盛衰変遷が激しく、現在の四ツ竹は昭和3年(1928)以降団扇に代えて使われ、かぶりものも鉢巻や手拭に変わり、地方に鉦・太鼓を加え、曲も急テンポとなっている。
踊りの起源は定かでないが「二上り」の音曲の流行期や踊りの単純さから見て、江戸中期ごろ江戸詰の福山藩士によって江戸から招来されたと考えられる。他の盆踊りが、おおむね継続音をもって構成されるのにくらべ、甚だ音楽的であり、武家的気品と庶民的哀調を巧みに交錯させた独特のリズムとなっている。
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