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名荷神楽(みょうがかぐら)

 毎年4月の第1日曜日に、名荷神社で奉納される伝統的な神楽。室町時代、生口島一帯に疫病が流行、加えて干ばつのため、島民は凶作に苦しんだ。当時の神社の世話役が、氏子の苦難を救い給えと、神前で幣と扇子を持って神楽を舞い、病魔退散と豊作を祈念したのが始まりという。火を噴く大蛇や豪華な衣装など、ショー化した神楽が多い中で、神事本位の伝統を守っている、というのが地元の自慢である。舞は13部からなり、演目のうち悪魔祓い、三宝荒神宮縄、剣舞、王子舞はよく古式を伝えている。明治初年までは荒神舞と称し、4年に1度の託宣をともなう荒神社の式年神事であった。明治5年の太政官符で、神職の託宣関与が禁じられた後は、地元の氏子らによって12神祗として奉納され、今日にいたっている。三宝荒神宮縄で紅白の紙衣を着せた人形に神酒を注いで色のにじみ具合で吉凶を占うのは、託宣神事の名残である。昔は、景品が当たるおみくじが人気を集め、よい当たり札が出るまで夜通し舞われていた。13部を演ずるのに約5時間かかる。現在は、繰り返しの舞はない。衣装は素朴で、約200年前の「3番組」のものが残っている。昭和43年、県無形民俗文化財に指定された。
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